第14章 たまにはいいだろ？

全部…入っちゃった。
ね、どう？気持ちいい？私の中、好き？
私は、好き。エルヴィンの全部が好き。

「はっ、はぁ…」

動いていいのに。
私のこと気にしてくれてるんだよね。
優しいな…。

だから、私はまた

「…エル、ヴィン」

名前を呼ぶんだ。

「…っ、…」

いつだったか、『君を壊してしまいそうで怖い』そう泣きそうな顔で呟いた。
だからわざと明るく、『大丈夫、丈夫なだけが取り柄だよ？』って答えた。

大丈夫。全部受け止めてあげる。
だから、沢山ほしいな。
ありったけ全部。

「エルヴィン、…ね？」

「ナナバっ！！」

「ん、や、ぁっ！」

ほら、やっぱり…
名前を呼ぶだけで分かってくれるね。

じゅぶ　とも　ぐちゅ　とも　ぬちゃ　とも違う。
言葉では言い表せない音が、途切れなく聞こえてる。
私の聞きたかった音が。

「あっ！あぁ！んぁ、あ！」

激しく打ち付けるエルヴィンの腰使いに、私は大きく揺さぶられる。

「ナナバ、っ、…ナナバ！」

熱くて、硬くて、大きくて…私の中を抉るようにして往き来する肉棒。ううん、もう一人の"エルヴィン"かもしれない。だって何でも知ってるから。

「んぁ、あぁん！そこ、だめ、だめぇ！」

「ここ、だろ？心配、しないでいい。
　い、っぱい、シてあげるよ」

ぐっと腰を掴む手に力を入れ直し、膝立ち、とまでいかないけれど、軽く腰を浮かせては高さをとる。勿論、動いたままで。

それをすると、一番奥、深い深いところで触れあえる。

あぁ、もうだめ…想像しただけで…

「くっ、そんなに、絞め付けるんじゃ、ない、っ！」

「だってエル、ヴィンが、エルヴィンが！」

ずっと鳴り響く粘着質な水音に、肌がぶつかる乾いた音。時折ふく風にあわせて遠くの木々がざわめく。

「出したい…！この、まま…っ！」

「エルヴィンっ！」

今までで一番強く、激しく、打ち付けて。

エルヴィンが私の中を熱く熱く、満たしていった。