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【A3!】甘いひととき【R18】

第3章  夜の密会【万里】


 


「監督ちゃん、俺だけど。入ってい?」

『うん、いいよ』


それは とある夜の出来事――。

寝る前に次の公演の台本チェックをしていた
私の元に やって来た、万里くん。


『万里くん? こんな時間にどうかした?』

「あー…、別に用があるわけじゃねえんだけど
なんとなくっつーか…。監督ちゃん
何してっかなーと思って来てみただけ」


用はないと言いつつも
何かを隠しているような様子で。


『あはは、そっか。今ね、次の公演の
台本チェックしてたところなの』

「ははっ。さっすが、監督ちゃん。
マジで抜け目なさすぎだろ」


部屋の中に入って来ると
ベッドに座っている 私の隣に腰を下ろし
同じように 台本を眺めはじめる、万里くん。

しんと静かな部屋に
ページを捲る音だけが響く。


―― それから、
どれくらいの時間が過ぎただろう。


こちらを見つめる熱い視線と
最初より近付いている距離に気づいたのは。



「…なあ、監督ちゃん」


囁くような 優しい声が沈黙を破り
トン、と 肩が触れ合うと
台本を捲っていた私の手に
万里くんの手が重ねられる。


『…あっ…』


その瞬間…

ここがベッドだということを
初めて意識し、身体が硬直した。


 
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