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一人だけど、独りじゃない

第3章 部活に入ろう


「在音さん、昨日伝えたけど、私もよければ入部して欲しいと思っているわ」
『名瀬さんまで…』
「この部には、異界士と半妖が集まっているの」
『えっ…そうなんですか?…』

博臣と言い合ってた在音は、美月の言葉に口論をやめ、美月の方を見つめ、改めてみんなの顔を見る。

おそらく他の人と感じが違うあの男の子が半妖か…

秋人を見ながら「ふむ…」と黙り込む。
そんな在音を見てすかさず口を開く

「あなた、こちらに引っ越してきてまだ、ここら辺の異界士事情には詳しくないでしょう?情報交換の場にはうってつけだと思うのだけれど?」
『確かに…』
「じゃぁ、入部ね。秋人、入部届け」
「ほいよっ!」
『へっ?!』

美月の言葉に在音がうなづくなり、入部届けをさっと美月の前に出す秋人。
そして、その入部届けにすらすらと名前とクラスを書く美月。

『えぇぇ?!』

必要事項を書き終わった所で再び在音を見る美月。

「まぁ、普通の部活よりは異界士事情がわかる人間ばかりだから、あなたとしても動きやすいだろうし、悪い話でもないでしょう?」
『いや…妹さんである名瀬さんの前で言うのもなんだけど、もれなく変態がついてくるのは悪い話では?』

在音の言葉を聞いて、くすりと笑いながら栗山さんに入部届けを渡す。

「それくらい我慢なさいよ、情報料だと思えば安いものじゃない?」
『高いよ、高すぎるよ情報料!』
「あら?そんなことはないわよ、妥当な対価だと思うわよ?ねぇ?秋人」
「林さんは茶色い縁の大人っぽいメガネも似合うけど、黒縁の大きめのメガネも似合いそうだな…いや、しかし細いフレームのメガネも中々…」
『…変態がもう一人居るんすけど?!』
「秋人に話を振った私がバカだったわ…」

眼鏡についてなんかブツブツ言っている秋人に、深くため息をつく美月

「美月先輩!提出してきました!!」

勢い良く扉を開き、いつの間にか何処かに行ってきた栗山さんが部室に戻ってきた。

「ありがとう、栗山さん」
『…はい?』

すごくいい笑顔で栗山さんを見る美月。
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