第5章 葵の花
午後5時半。
館内アナウンスが小学生達への帰宅を促す。
春華「衛輔くん、帰宅の時間だそうですよ?」
夜「うるせ!お前も大して変わんねぇ癖に」
苦笑混じりに、だけどちょっと意地悪に。
外を見れば街灯で暗くは見えないけど、
空は真っ暗で、雪がちらついている。
夜「けど、そろそろ帰るか。
寒くなって遅くなるのも嫌だしな」
コクリ、と頷いてまた重い参考書達をリュックに詰めていく。
夜「よし、結構片付いたな」
思ったよりちゃんと進めることが出来て満足そうだ。
来た時と同じように手を繋いで、図書館をあとにした。