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【テニプリ】この気持ちに名前を

第5章 嫉妬


「ふふ、君、凄いね」
「あ、幸村くん」
「幸村、君はやっぱり強いね」
「不二こそ、あんなに早く感覚を取り戻すなんて思わなかったな。やっぱり彼女のおかげ?」
「うん...そうだね」
「あれの原因を素早く見極めて対処するなんて、物凄い判断力と洞察力だね、優衣さん」
「え、あ、はい、お褒めに預かり光栄です...?」
「でも、俺が勝ったから敬語、やめてくれる?」
「あ、そうだった...」


やっぱり、幸村が彼女を気にかけるとなんだかモヤモヤする。
恋に不器用なボクは、嫉妬を抑えるなんてことはできないみたいだ。
だから、行動に移しても、君は許してくれるかい?


「ひゃっ!?」
「幸村は魔王だから、敬語が出ちゃうんだよ」


彼女をグイッと、ボクの方へ引き寄せた。
決して小さくはない子だけど、ほっそりとした体がボクの腕の中に入って、ほんのりいい匂いがした。

ああでも、きっと驚いて真っ赤にしてるであろう顔が見えないのは少し残念かな。


「それ、どういう意味かな?」
「そのまんまの意味だよ?」
「え、えと...」
「あと、俺の目の前でそういうことしない方がいいよ?」
「どうして?」


そう聞いた瞬間、ボクの腕の中から彼女がいなくなった。


「奪いたくなるからね」


ああ、また面倒なやつがライバルになってしまったみたいだ。
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