第1章 はじまり
「というわけで、彼女に今日から1週間ほどマネージャーをしてもらうことになった」
「手塚優衣です。手塚が2人いて呼びにくいかもしれないから、優衣って呼んでくれて構わないよ」
部員達の動きが固まった。
仕方もない。
今までマネージャーなんていなかったし、ましてや女なんていなかったからな。
「マネージャーってポジションあったんすね...」
「まぁ今まで乾がその役割を担ってくれていたからな、いなくても支障はなかったんだが...」
やはり、女に慣れていないからやりにくいか...
しかし、他に頼めそうな奴も思いつかなかったからな...
「いや、いてくれた方が助かるよ」
「不二先輩」
不二が何やら嬉しそうな顔でこちらを見てくる。
こいつ、さっき言ったこと楽しんでるな...
「ボクたちもデータの管理に時間を取られずに練習出来るし、慣れないことに手間取らないで済む。それに...」
チラッとこちらを見る。
こいつに話したのは間違いだったか...
「美人だしね!」
みんなが唖然とした。
いやまぁ優衣は美人は美人なんだが...それは関係なくないか?
「不二くん...美人じゃないしそれマネージャーに関係ないよね...」
「いや~手塚さんは美人だよ?美人で有名だよ?」
部員たちがザワザワと騒いでいる。
まぁ、1週間の辛抱だ。
部員にとっても、彼女にとっても。
「とにかく!
彼女にはマネージャーとして動いて貰うから皆そのように頭に入れておけ」
「「「はい!」」」