第1章 はじまり
ザワザワ...
...何やら周りが騒がしいな。
「手塚、愛の告白?」
「不二...そんな訳ないだろう」
いつの間にやら後ろに不二がいた。
なぜ呼び出しただけで告白になるんだ、全く。
「モテる手塚コンビが2人っきりで話をしてるって噂になっててね、気になって来てみたんだ」
「あいつはモテるが俺はそんなんじゃないだろ...
それにあいつは俺の従姉妹だ」
「へぇ...名前が一緒だなと思ってはいたけど、まさか従姉妹だとはね」
特に周りに言っていないから知っているやつも少ないだろう。
だからこんな風に誤解されるのだが。
「まぁ、従姉妹でも結婚は出来るよ?」
「なんでそういう話になる...」
「だって君の初めての浮いた話だからさ」
浮いた話か...
まあ、確かに俺は彼女に...
「...昔の話だ」
「えっ、本当に?」
「これ以上は言わん」
今は彼女の傷が、少しでも良くなっていればいい。
そう願うだけだ。