第5章 女尊男卑
12:00
3人は広場に集まっていた。
「みんな買いたいもん買えたか?」
「私は服とか買えたから大丈夫」
「俺も画材買えたし」
「あれ、竜紀は何買ったの?」
よくぞ聞いてくれたという目でこちらを見た竜紀はスクーターを出した。
「何それ」
「見りゃわかるだろ、スクーターだよ!」
「で、いくらしたのよ?」
「8500セル」
「高っ!所持金に見合ったお金の使い方しなよ」
1セルあたり約0.7円ぐらいなので12000円のバイクを購入したのである。基本的に物価が安いとはいえ大きな買い物である。
「そういうお前らいくら使ったんだよ」
「6500セル」
「俺は6000セル」
「それに私5着買ってるから」
「俺も絵の具の何色かのセットにスケッチブックと筆だから」
「なんだよそれ…」
「言っとくけどそれで食費足りなくなっても貸さないからね」
「は!?なにそれ!?」
「だって10000セルしかないのにそんなの買ったら食費なんて足りないでしょ」
いきなり言われた竜紀は目をまん丸にして言った。竜紀のことなので食費など眼中になかった。
「何でもかんでも陽二くんに頼ろうとしない」
いつも何かと助ける陽二は珍しく手助けをしない。
「まあ依頼をこなして成功したらお金貰えるらしいから」
気持ちだけと陽二はメニューを開いて言った。
「とりあえず食費を稼げばいいんだから」
「華楓そう簡単にいうなよな…」
「後先考えずに買うのが悪いんじゃん」
まじかよと頭を抱えた竜紀。
「あ、でもよどうせ飯なんて現実世界で食べれるんだし」
「食事はHP増幅や回復、レベリングなどにも影響するらしいよ」
ずっとメニューを確認している陽二は食事に関して調べている。
「ま、そういう事で私と陽二くんの分の食料買いに行くとするか」
「華楓よ~お願いだから少しでも飯を~」
「…わかった、良いけど所持金に見合った分しか作らないし、お金なくなっても貸さないからね!」
「あざす!」
何とか食事を確保することのできた竜紀はひと安心した。
「じゃ、今日の食料買いに食品市に行くとするか!」
「俺肉ー!」
「お前は金ないんだから肉は諦めろ」