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英霊の刀【ONE PIECE 】

第3章 後編



「…そんな…」

全ての真相を知ったユーリの頬には、涙が流れていた。

ローはずっと苦しみ続けていたんだ。


「…なぁ、本当はこんなこと頼むのも悪いと思ってるけど」


ユーリが泣いているのをどこか辛そうな表情で見ているルフィ。

「あいつを、救ってくれないか」


静かに呟かれた言葉。


「…トラ男はまだ、生きてるんだ」


「…え?」


ルフィの言葉に驚き目を見張るユーリ。


確かにローは英霊扱いされているが、死んだという話はルフィから聞かされていない。

まさか彼は、どこかで眠り続けているのか?

「だ、だけど…魔力もない私が、助けれるでしょうか?」

ローを助けれるならもちろん何でもするつもりだった。

だけど魔力がないユーリは、自信がなさげに目線を落とす。

「大丈夫だって!おまえ、魔力がないと思ってるみたいだけど、それ違うから」

ルフィは自信満々にそう答える。

ユーリはよく意味が分からなく首を傾げていると、突然手を掴まれた。


「ユーリは魔力がないんじゃない」













…眠ってるだけなんだ。












ルフィに手を掴まれた瞬間、凄まじい魔力があふれ出した。

あまりの衝撃に、礼拝堂の窓ガラスは全て割れて、壁にも巨大な穴が開いた。

2人を包む、青くて強い風。

まるで竜巻のようなそれは、全てユーリの魔力だった。

突然のことで驚いていたユーリだったが、魔力の風が止むと慌ててルフィに問いただした。


「眠っていたって…」

ルフィから手を離され、ユーリは唖然としていた。

「おうっ!だからおれが呼び起こしてやったぞ!」

笑顔でそう答えてくるルフィ。

ユーリは信じられないと言うような表情で己の手を見ていた。

今まで感じなかった強い魔力。

確かにそれは、ユーリの体内に流れていた。


「あ、ありがとうございます!」


これで少なくとも私は、自分一人で戦える。
ローを助けることが出来るかもしれない。


「時間がないんですよね?ローが眠っている場所まで案内してください!」


呼び起こされた魔力に感動している場合じゃない。




ルフィを急かすユーリの瞳には、光が宿っていた。

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