第3章 後編
それからローは暫く英雄として扱われたが、それも最初だけだった。
化け物を封印するためには、オペオペの力を使って心臓を捧げる必要がある。
政府は再び化け物が目覚めるのを恐れたのか、ある計画を立てていた。
「トラ男は、政府に捕まったんだ。これから先、長い間利用されるために」
化け物を倒せると言っても、ロー程の実力がないと無理だろう。
オペオペの実の能力者なら誰でもいいというわけでもない。
だから政府は、ローを長い眠りにつかせた。
まるで化け物を封印するかのように。
そして研究に研究を重ねて、化け物が目覚める前にローも目覚めるシステムが出来上がった。
初めて目が覚めたローは唖然としていたらしい。
理不尽に捕まったかと思えば意識を失い、目が覚めたら100年が経っていた。
その時施設を管理していた者から話を聞かされたローは激怒し、その施設を破壊した。
だが、化け物が目覚めることには変わりない。
当然ローからすればそんなこと知ったことではなかったが、最終的に彼は化け物を倒していた。
ルフィを犠牲にして守られたこの世界を、見捨てることが出来なかったのだろう。
それから歴史は何度も繰り返されていく。
どうやら化け物はだいぶ前から存在しており、政府が隠していたようだ。
ローが現れる前はどのように対処していたかはしらないが、恐らく尋常じゃない被害が出ていたのだろう。
「だからさ、あいつのこと誤解しないでやってくれねぇか?」
ルフィから聞かされた事実。
あのままローと共にいれば、ユーリは死んでいた。
ローはユーリを守ってくれたのだ。