第3章 後編
同じことを繰り返して、もう何年経つか分からない。
馴れ馴れしく触れてくるこの王女は、自分が殺されるとは全く思ってないだろう。
憐れな女だ。
ローは王女を軽くあしらうと、目的の場所へと足を進める。
先ほど、禍々しい魔力を感じた。
恐らく奴が目覚めたのだろう。
今回の役目も、時期に終わる。
そういえば今回、あいつを見てねぇな。
ローはふと空を仰いだ。
幽霊となってローが目覚めるたびに様子を見に来ていたルフィ。
実は、ローはルフィの存在に気づいていた。
だがあえて、見えてない振りをしていた。
さっさと成仏してくれればいいものを。
おれに対する罪悪感なのかは知らないが、何時までも気にするなと言いたい。
見えてない振りでもしてればもう来ないと思っていたが、あいつは何度も現れた。
だがそれも、今回で終わりなのだろう。
姿の見えないルフィに安堵のため息を漏らすと、脳裏に浮かぶのはユーリの存在。
ユーリがあれからどうなったのかは知らない。
だが出来れば、どこかで幸せになって欲しかった。
…頼むから魔物なんかに殺されるなよ。
魔力のないユーリを守ってくれる人物はもういない。
ローはユーリの無事を願いつつ、最後の戦いに備えた。
…あぁ、おれは何時、終わりがくるんだろうな。