第3章 後編
「あの化け物を倒せたのは、本当に偶然だったんだ」
2人は戦い続けいたが、何を思ったのかルフィーが心臓をローに渡すと言い出した。
当然揉めたが、このままでは埒が明かないとルフィは思っており、半ば無理やり心臓をローに預けると化け物に突っ込んでいった。
ルフィとて死なないために心臓を渡したのだ。
例え手足がなくなったとしても、奴を倒さなければならなかった。
そしてルフィの無茶な戦いは、心臓がなくなったことにより更に悪化した。
どんどんボロボロになっていくルフィ。
それを見ていたローは見てられなくなったのか、応戦するために再び刀を構えた。
するとどういうわけか、突然標的がローへと変わったのだ。
当然ローも簡単にやられるほど弱くはないが、ルフィの心臓を預かってる為、余計に気を使って戦っていた。
「……あいつは、何だかんだで優しいからな」
ローが戦いずらそうにしているのに気づいたルフィは、急いでローの元へ駆け寄った。
そして、ローが化け物に食われそうになってるのを見た瞬間、咄嗟に庇ってしまった。
ルフィの手には、ローから奪い取った心臓が握られていた。
……その結果、ルフィの心臓は化け物に食われてしまった。
するとどうだろう、今までどんな攻撃も聞かなかった化け物が、再び眠りについたのだ。
「一体どんな理屈で、あいつが封印されるか分からねぇ。だけど…」
化け物、世界の裏側を見てしまったロー。
そしてそれを唯一倒せることができる存在。
政府が目を付けるのに、そう時間はかからなかった。
「あいつ、戦いが終わっても全然ROOM解除しようとしなくてさ」
ボロボロのルフィを青ざめた表情で見ているロー。
ROOMを解除してしまえば、心臓を失ったルフィは死んでしまう。
だからローはどんなに体力が限界を迎えようが、解除しようとしなかった。
「気にするなって言ってんのに全然言う事聞いてくれねぇから、勝手に自分から出て行ったんだ」
ローには感謝の言葉を伝えた。
仲間の仇を取ってくれたのだ。もう、思い残すことはなかった。