第2章 中編
「…っ…っふ」
小さな町の宿の一室で、押し殺したような声が響き渡る。
ローはユーリの身体の至るところに、赤い印をつけながら胸を鷲掴み刺激を与えていた。
そして印をつけながら、時折噛みつく。
そんな彼の行動には、前回のような優しさなど欠片もなかった。
そもそも口づけを一度もしていないので、ユーリへ与えられるのは痛みの方が強かった。
だけど彼女は、抵抗することなく、ただじっと耐え続けていた。
ローは噛り付いていた胸の頂から口元を離すと、そっとユーリの様子を伺った。
彼女は瞳を閉じて、唇を噛み、必死に耐えているようだった。
「…今までは痛みを感じないようにしていたが、本来セックスは、必ずしも快楽だけとは限らねぇ」
ローは手を下股に這わせると、当然そこはまだ濡れていなかった。
だが構わず中指を彼女の秘部へと差し込む。
「…ひっ…ぁっ!」
湧き上がるのはユーリの苦しそうな声。
ローは残酷な笑みを浮かべると、無遠慮に中を掻き回した。
狭いそこは、ローの指一本でもきつく締め付けてくる。
ローは暫くそうやって中を抉っていた。
ユーリが感じる場所をわざと外して。
そしてどれくらい経っただろうか、徐に指を引き抜くと、ユーリの両足を抱え込む。
ろくに慣らしもせず秘部に宛がわれた熱い楔。
ユーリの表情が一瞬引きつったような気がした。
この体格差だ。
十分に濡れていない場所に、あんなものが入るとは到底思えなかった。
「…その表情いいな、すげぇそそる」
今まで快楽に溺れた表情しか見たことなかったが、怯えた表情も中々なものだった。
ローは口の端を吊り上げると、ゆっくりと自身をユーリの体内へ埋め込んでいった。