第2章 中編
ユーリは促されるまま祭壇の前にいき、儀式を終わらせた。
彼女の魔法陣に宿った青い光。
ユーリは取り合えず当初の目的を果たせたことにホッとし、早く近くの宿に戻りたかった。
別に疲れたわけではないが、ローが何を考えているのか分からなかったので、落ち着いた場所で少し話をしようと思ったのだ。
後は、無意識に身の危険を感じていたのかもしれない。
「…先に魔力の補充をさせろ」
宿に戻る提案をするユーリへ、ローが無表情でそう答えた。
一瞬この場所でするのか?と言う考えが脳裏をよぎった。
しかしよくよく考えれば、今日一日で彼が使った魔力はかなり多い。
ユーリは色々と付き合わせてしまったローへ申し訳ないと思い頷こうとしたが、急に強い力で腕を引っ張られた。
「…っ…っふ!」
ユーリの返事を待つことなく行われたキス。
少し驚いた表情のユーリに構うことなく、口内へ差し込まれた舌。
そのままユーリの舌を捕らえると、荒々しく吸い上げられた。
何時にない激しい口づけに、ユーリの息は早々に上がっていく。
それに比例するように身体を駆け巡る快楽。
次第に立ってられなくなったユーリの腰を掴み、ローは更に深く口内を翻弄した。
「…んっ…ぁ…」
今までに感じたことのない程の快楽に、ユーリの足が震える。
ユーリはまだ終わらないのだろうかと、そっと閉じていた瞳を開けると、美しい青い目をしたローと目が合った。
「…えっ?」
ローと目が合った瞬間、口づけが終わった。
だが、ユーリの身体はそのまま地面に引き倒された。
背中に感じた僅かな痛みに顔を少し歪ませるが、そんなユーリを上から見下ろしているローの表情は相変わらずだ。
いや、少しだけ怖かった。