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英霊の刀【ONE PIECE 】

第2章 中編



「いいの?結構痛いって聞くけど?」

男はユーリの首元の服を寛げながらそう問いかける。
男としても生気を貰うのは初めてなのだろう。

所詮噂で聞いた情報でしかない。

そしててっきりキスを選ぶのかと思っていたが、その予想は外れた。

一応男も容姿には自信があったのか、ユーリの答えに少し不服そうだった。



そしてユーリはそんな男の心情など気にもせず、一度経験したことあるから大丈夫だと伝えた。

本当は全然大丈夫じゃないが、早くしてくれとばかりに目を閉じて痛みに耐える準備をする。

「ふーん?っま俺はどれでもいいけどね」

男は少し面白くなさそうにそう言うと、ユーリの首元に噛みついた。

「……っつ!!」

ユーリは両手に力を込めて痛みに耐えた。

声を上げなかった自分を褒めてやりたい。
過去に一度経験があったのでまだよかったが、それでも耐え切れない痛みが全身を駆け巡る。

早く終わってくれ。
ユーリはそう願うしかなかった。








そして時間帯にしてどれくらい経ったが分からないが、不意に男が首元から口を離した。

「……これは」

ユーリは急に無くなった痛みに身体がふらついた。

それを支えている男の表情は、少し驚いているようだった。

「なるほど。あの英霊が彼女の生気を取られたくない理由が分かった気がするよ」

男はローを見ながらニヤリと笑った。

これは病みつきになるね。

明らかに怒りを露わにしているローへ、更に煽る言葉を発する男。

そんなローに男は余裕の笑みを浮かべると、身体を屈ませた。



「…っ!?…っふ!」

ユーリは男の雰囲気が変わったことに気づき目を開くと、何時の間にかキスをされていた。






ガン!!




「…っ、あっぶな!」

男がユーリへキスをした瞬間、ユーリの姿は一瞬にして消えた。

そして代わりに突き付けられた刀。
辛うじてかわせたが、男の頬から血が流れる。

男は流れる血を拭うと、軽く頬を引きつらせた。

目の前のローから発せられる魔力。

少々やり過ぎたか。

ローの腕の中に収まっているユーリ。
そして彼から放たれる殺気。

男はこのままだと冗談抜きで殺されそうだったので、大人しく身を引くことにした。





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