第2章 中編
ユーリとローが外に出ると、外は外で色々酷かった。
予想以上に多く集まっている魔物。
それと戦っている彼ら。
死んでいる魔物も多くいたが、何人か地面に倒れて動かない人もいた。
「…おまえは離れてろ」
ローはユーリを離れた場所に移動させると、この状況をどうするか考えた。
すると、何人かがローに気づいたようで、どういうわけかローへと攻撃を仕掛けてきた。
ローは眉間にシワを寄せると、攻撃を交わした。
どうやら何時の間にか、ローを攻撃するよう命令が伝わっているようだ。
更には魔物までもがローを攻撃してくる。
ローは魔物を薙ぎ払いながら、犠牲者には手加減しつつ応戦していた。
正直戦いづらくて仕方ない。
ユーリはそんなローの姿を落ち着かない様子で見守っていた。
ユーリが願ったせいであのローが苦戦している。
しかも、怪我まで負っているようだ。
せめて犠牲者の人たちだけでも動きが止まればいいのだが、生憎そんな方法なんてあるはずがない。
…私のせいだ
ユーリは表情を青ざめさせると、思わず足を一歩踏み出しローを助けに行こうとした。
…いや、駄目だ。私が言っても邪魔になるだけだ。
ユーリは唇を噛みしめると、回らない頭で必死に打開策を考えた。
魔物の数は確実に減っているが、ローが傷つくのをこれ以上見たくなかった。
「……っ!!」
ユーリが考え込んでいると、ふと感じた殺気。
慌てて振り返ると、そこには一匹の魔物がいた。
完全に油断していた為、魔物からの攻撃を避けきれない。
魔法を発動する暇もなく襲ってくる魔物。
ユーリは思わず目を閉じた。