第2章 中編
礼拝堂が近づくにつれて増えてくる魔物の数。
それをローは一掃していき、その度に王女の絶賛の声が響き渡る。
そしてユーリはローは相変わらず強いなと、どこか他人事のように考えていた。
周りの護衛の人たちも、ローの強さに驚いているようだった。
そして漸く辿り着いた礼拝堂。
時間帯にして夜だが、少し離れた場所からでもその建物を確認できた。
城で聞かされたように、礼拝堂の前には大きなドラゴンのようなものが伏せて陣取っていた。
寝てるのか起きているのか分からないが、まだこちらに気づいた様子はない。
ローは巨大なドラゴンの姿を見て何かを考え込んでいるようだった。
そしてそんなローの隣にユーリが立つと、突然ローから呼ばれた。
ローは王女を引きはがすと、離れるように言い、ユーリの肩を掴みこちらを向かせた。
「どうし…っふ!?」
珍しくローから呼ばれたかと思うと、いきなり顎を掴まれキスをされた。
咄嗟のことで動揺し固まったユーリだが、驚いたような表情の王女と護衛の存在を思い出し、慌てて離れようとした。
だがそれも、ローから抑え込まれているため構わなかった。
何時の間にか背に回されていたローの手。
更には口内を割って入ってきた舌がユーリの身体を快楽へ落としていく。
確かに魔力の補充の仕方が分って試したあの日以降、まだ一度も要求されたことなかったが、何も皆が見てる前ですることもないだろう。
ユーリは羞恥心から頬を赤く染め、それをじっと見ているロー。
「…っ…んぁ」
ローの舌がユーリ舌と絡み合い吸い上げられる。
そして口内を好き勝手に翻弄するロー。
卑猥な音が、僅かに響き渡っていた。
(いやいやいや前回より長くね!?どうした!?)
ローから口づけられてどれくらい経ったのか分からないが、なぜだろう、前回よりも生気を吸い取られてる気がする。
そしてそれに比例するように、ユーリへ快楽を与えられる。
ユーリはどうか早く終わってくれと願いながら、ひたすら耐えるしかなかった。