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英霊の刀【ONE PIECE 】

第1章 前編



ユーリの視線を静かに見つめ返していたローだったが、そっとその視線を逸らした。

彼はあまり表情には出していたなかったが、ユーリがローを庇った行動に、少しだけ憤りを感じていた。

ローがいながら契約者に傷を負わせるなど、彼のプライドが許さなかったのだ。
彼女も無力なことは十分分かってるはずだ。

だから問いただしたのだ。死にたいのかと。

そして返ってきた答えは、まったく予想していなかったものだった。
未だかつてローが契約してきた人間は5人だ。

その中で、ローに対して友達になろうと言ってきた人物はいない。
皆、英霊に選ばれ権力を得たことをいいことに、好き勝手やっていた。もちろん、戦いは全てローに任せていた。

元々ローの役目は、戦う事なのでそれは別に良かった。
契約者の選定も半分は適当で、後は魔力が多い奴を選んでいた。

ローはそっとため息を吐くと、ユーリが座っているベットの隣に腰を掛けた。

確かに魔力のないユーリを選んだ責任はローにある。
そして、魔力がなくても補充できる方法を教えなかった為に、今回の事件が起きてしまった。

あの時、近くにいた女から魔力を貰ったが、正直口に合わないと言うか不味くて仕方なかった。

先ほどローが契約者を選定する理由は魔力の多さと言ったが、その魔力がローの体質に合うかも考えていた。

「…友達になって、何かこの関係が変わるのか?」

ローは重い口を開いた。

恐らく彼女はローとコミュニケーションがとりたいのだろう。
シンクロ率とらやも、学校で教わってるだろうから。

「え、えっと、取り合えず魔力の補充の仕方を教えてください。そして、これからは…一緒に旅をすることになると思うので、できるだけあなたと色々話したいんです」

一緒に旅をするとは、学校を卒業した後の話だろう。

そして魔力の補充の仕方。

ローは再び何かを考え込んでいるようだった。



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