第1章 前編
学校で習った魂との契約後の話だが、どうやら彼らは契約主の魔力を必要としているらしい。
だから主は魔力を、彼らが欲したときに与える。
与え方は人それぞれだが、最低でも週1で魔力を補給されせてあげないと、魂も力が使えなくなるらしい。
勿論魔物と戦う頻度が増えれば、毎日でも魔力を補給させる必要があるだろう。
ユーリは壁に立てかけている刀をぼんやりと見た。
ローからその話をされたことは一度もない。
もしかしたら英霊は、魔力を必要としないのだろうか。
本当は聞いてみるべきなのだろうが、相変わらず怖いし、必要と言われたら一体どうすればいいんだ。
私は魔力はほぼOに近い。
だから扱える魔法も微々たるものだ。
ローは刀が私を選べと言っていたと話していた。
私に一体何を求めているのだろうか。
魔力もない落ちこぼれで、魂とのシンクロもよく分かってない。
シンクロと言っても簡単に言えば仲良くなって信頼し合えばいいらしいのだが、まったく仲良くなれる自信がない。
てかまじで魔力が必要だと言われれば、どうすればいいんだ。
ユーリはため息を吐くと、今日はもう寝ることにした。
これ以上考えても仕方ない。ないものはないのだから。
それにまだ依頼は2件残っている。
結局私が出来ることなど、何もないかもしれないが。
それが何だか申し訳ない気もするが、どうすることもできない。
ユーリはため息を吐くと、ベットから起き上がり風呂場へ向かった。
まだまだ問題は、山積みにされていた。