第1章 アネモネの夢00~50
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早朝、慣れぬ匂いに薄っすらと目を開けると見慣れぬ部屋、一緒の部屋で眠る百合に。ああ、昨日の記憶が蘇った。百合のストーカー対策で押しかけたんだった。
今日は休みで、数日間滞在する為に日用品を買い込もうと出かける事になっていて。顔を洗ってから私服に着替えて部屋に戻ると、寝起きの百合がぽへっとして起き上っているが起きてるのか?これ
「起きてるか?」
「んー、おはよーございます?」
「今日は出掛けるぞ」
「はーい」
日用品だが適当にデパートでいいか。イ〇ンまで車を走らせて行かねばと考えてると、顔を洗って来た百合がついでに朝食を持って来たので、まあゆっくり行くか。
店に着いてから歯ブラシ、髭剃り、タオル追加、あと食器を一通り籠に入れていると妙に視線を感じて周囲を見渡す、いや、気のせいか?
「どうしました?」
「否、何か妙な視線を感じてな」
「イケメンは立ってても視線を集めますからね」
「そういう問題か?」
茶碗はこれでいいですか?と差し出された物に顔を顰めて、大きさは丁度良いが何故猫の柄なんだ。その猫俺か?
箸はこの色?と聞かれて、見れば深い藍色。まあいいか。
レジで精算して時計を見る、軽い買い物だけだから早く終わってしまい。何となくこのまま帰るのが惜しくて昼をどこかで買って食うかと提案すれば、嬉しそうに頷かれたので決定。フードコートでテイクアウトをする事に
近所に少し大きな公園があり、そこで食べるかと言えばピクニックみたいだとはしゃぐのがお市様と重なるなと思わず凝視してしまった。いや、気にするな。
「お弁当でも作って出たかったですね」
「今回はコレで我慢しろ、今度来ればいい」
「いいんですか?」
「? ああ」