第1章 アネモネの夢00~50
「百合さん泊まるんでしょ?」
「うん、前使ってた部屋借りるね」
「布団用意しといたからゆっくり休んでよ、あ、それと」
「ん?」
昴の言葉に首を傾げれば雹牙から話があると言われて、リビングに行く?あ、部屋に来るの?了解。
お叱りじゃないから安心してくださいねと笑って自分の部屋に入る昴を見送り百合も自分の部屋に入ってった。
何と言うか、この前まで使ってた自分用の部屋がそのままで綺麗にしてあったのに驚いた。
「百合ちゃんの部屋」と市は言っていたので織田の皆さんの感覚でもうここは百合の部屋に定着してるらしい
寝間着に着替えて時計を見る、もうそろそろ寝る時間が近づいて来た頃に部屋の扉がノックされ、雹牙が入って来たので布団の上だが座り直して言葉を待つ。
「ありがとな」
「ううん、市ちゃんが無事で良かったです」
ふわりと優しく笑う雹牙に微笑むと、もうお馴染みと化してる雹牙からの頭撫で攻撃にクスクス笑う
「何か礼をせんとな」
「お礼ですか?いいですよ、大した事してませんし」
うーん、と唸りながら百合を見つめる雹牙に、お礼は要りませんと主張するけど、この人達は言い出したら聞かないよなと苦笑いになるが、雹牙はその様子を見て噴出した。
何ですか、急に笑わないで下さいとじゃれるように小突けば、なかなか笑いが止まらない。雹牙さんが壊れた!!
「ククッ、いやすまん」
そうだな、何か決めた様にふっと微笑んだと思ったら今度飯でも行くかと。
まあ、それくらいならいいですと頷けば再度頭を撫でてから雹牙は立ち上がり部屋を出ようとする
「日程が決まれば連絡する、おやすみ、百合」
「はい、おやすみ、なさ、」
パタンと扉が閉まったあとで、顔を真っ赤にした百合は動揺しまくったそうな。