第1章 アネモネの夢00~50
コンコン。
来客を告げる様にノックされたドアを見上げれば、麗しい美貌が微笑んで片手を上げる。どうして織田の会社に居るのか問えば、まあ、顔を見たかったとの事
「藍羽君の事なんだけどね」
「探偵社の事、何かわかった?」
「まあ、悪い噂で成り立ってる所だ、叩けば叩く程埃が出て来たよ」
私に恋文を送ってきたのはそこの所長、金持ちのお坊ちゃんだが金にはがめつく金が大好きな金の虫
先日まで社員が逮捕されていたが金で解決し釈放させたという。
百合の元彼が今の依頼主で、元カノである百合を追っていたが今はもう金が取れないと分かってか、ずさんに仕事を報告して契約を切ろうと目論んでいるいるあたり性格が悪い
「何でまた市に恋文なんか…」
「地位かな?君ならどこの国の王子様でも釣り合うと思うんだけどね」
「竹中さま、それは言い過ぎ」
まあ、最低な男だってのは分かったから探偵社の方はいいかな。問題は百合ちゃんに纏わりつく元彼と元同寮ですよね
この2人は付き合ってたみたいだけど女性は元彼を財布扱いしてお金を搾れるだけ絞ったと。
元彼と言えばサラ金にまで手を出して日々の返済すらままならない状況で逃げ回ってるらしい。
女の方は完全に逆恨みだって雹牙に聞いたし、元彼もすぐ自滅するだろうけど今まで引き下がらなかったのは何か目的があってか。
もう少し、百合ちゃんに護衛を付けて探ってみるかと。半兵衛にお茶を出してこれからの動向を予想する事にした。