第1章 アネモネの夢00~50
どう転ぶかは運次第だし早く解決するならばそれに越したことはない。
今日は織田の会社で会議があるから後は頼むと2人に任せて、藍羽ではないが秘書を連れて仕事に出かけた。
「本当に来たんですね、昴君」
「まあ、これがお仕事ですし」
社長が帰ってきて、社長室に呼ばれたと思ったら、今日、百合の会社に来ていた織田の重鎮も居て社長と話をしている最中だった
早速釣れたんですよ。クスクスと良い笑顔で笑う明智に、松本は思い出したのか米神を抑えて申し訳ないと謝っていて
「何、明智光秀に近付いた女は周囲も見ずに明智殿を落としに掛かって来ただけです」
今度こそ逃がすまいと、玉の輿を狙い仕事中にも関わらず仕事そっちのけで明智殿に引っ付き誘惑してた時の証拠映像を、彼女の前で松本社長に見せただけです。昴は何とも無しにそう言う
「くっくっくっくっく、哀れでしたねあの表情は。自分の醜態を松本殿に見られた時の絶望的な表情は」
「え、その方どうなったんですか?」
「おや、藍羽殿」
松本社長は彼女を過酷な現場に移動を言い渡しましたよ、と。明智は美しい笑みでにこりと微笑む。
「先ずは謹慎処置だ。それから移動になるが自業自得だ」
「逆恨みして百合さんにちょっかい掛けなきゃいいんですけどね」
「私は別に、そういうの気にしませんけど」
織田ではブラックリストに登録して彼女を織田の仕事に関わらせない様にしました。
明智光秀のその報告にありがとうとお礼を言う松本社長を見て、只では転ばないと思うのは百合の第六感が告げてるのかもしれない。