第1章 アネモネの夢00~50
今は言わない奴が多いのだと聞くが作って貰ったものを感謝して食べるものだと思っている。これは昔の記憶があるせいなのかは知らんが
褒めれば料理の腕も上達するともどこかで聞いた事がある。
「あー、市ちゃんをお嫁に欲しいです」
「あはは、明日食べたい物とかある?お弁当の中身でもいいよ」
「それは何か恐れ多い気がする」
「藍羽、それ今更だ」
「雹牙兄さん、最近ツッコミ属性ですよねぇ」
昴の言う事に一瞬固まって。俺でも分からん、最近やたらと無意識に口から言葉が出て来るのは自重した方が良いのかもしれん
無言で食事を口に入れ、咀嚼していると玄関に気配を感じて振り返れば信長公と濃姫様が帰宅された。
「兄さま、義姉さまお帰りなさい」
「ただいま、まあ、美味しそうね。着替えて来るわね」
「フン」
「の、信長公、帰蝶さんおかえりなさいませ!」
少し慌てる藍羽に落ち着けと小突きながら、市が立ち上がってお2人のご飯をよそい始めたのを横目で見ながら。
明日は松本社長と豊臣に行く用事があるとぼんやりと考えを巡らせた。
竹中に近況を言わねばなるまい。