第1章 アネモネの夢00~50
「あのさ、あの日合コン行く予定だった子って……」
「ああ、うん。今日昼ご飯食べてる時に居たあの子だよ」
「そっか……今日も誘ったの?」
「うんにゃ、あんたとランチするって話したらついてきたんだよね。やっぱ気になるんじゃない?」
「何が?」
「ここだけの話だけどさ、あの子、玉の輿狙ってこの会社に入ったんだって。ほら、織田グループの傘下で重役秘書とか出入りするじゃない?」
そうやって聞かされた内容に唖然としたけど、だからどうというわけでもなくそういう子も居るのかという感想しか浮かばなかった。
それからほんの少しだけ話して、内緒でって頼んだらもちろんって笑ってくれたから大丈夫かな?
お礼を言って別れて自分の仕事をしに戻った。
夕方、定時が近づいた頃に雹牙さんと黒羽さんが社長を訪ねてきて、事情を一通り説明してくれて私は暫く社長を訪ねて来た二人の車で一緒に帰宅することになった。