第1章 アネモネの夢00~50
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百合ちゃんを会社に送ってから私達は出勤です。兄さまと義姉さまはもっと早くに出勤してるので見習わなきゃとも思ってるんだけど私の場合は同僚も出勤しないとお仕事にならないのだよね。
お市様、と声を掛けられ振り向いたらんふんふと微笑んでいる光秀に遭遇、珍しいねこっちまで来るの。
「毛色の変わった猫を飼い始めたとお聞きしました」
「光秀ハウス!百合ちゃんは猫じゃありません」
どっから聞きつけてきたの、呆れた目で見て問えば何か顔を赤くして悶えてるけどちょっと人の話を聞こうか。
「いえ、これを。お市様宛に来たモノなのですが私が先に検分しまして」
すっごいどこかで見た事のある白い封筒?私宛に来てたんだ、ふうん。光秀が大丈夫だと判断したから持って来たんだろうけど、受け取って中を見たら写真が入ってる?
百合ちゃんの時とパターンが同じだなと写真を見れば、先日スイパラに行った時の写真でした。なんじゃこりゃ
「愉快ですよねぇ、藍羽百合を追いかけていたところにお市様を知り、図々しくも恋文を書いて来たのですから」
「恋文入ってたの?」
「中身はお見せできないと判断しましたので私が預かっております、信長公にお渡ししないと」
「あ、うん。お願い」
凄く楽しそうに笑う光秀を見て相手に合掌、これはこのドSとMな変態からどういう鉄槌が下されるのかと想像するだけでご愁傷様な気分になります。貴女は気にしないで下さいと頭を撫でられ去ってった光秀を見送ってから仕事を開始しちゃおう。
しかし、この大人数、結構綺麗に撮れてるな。伊達にカメラ構えてないのだと納得して…。
これデスクに飾っておこうっと。