第1章 アネモネの夢00~50
「ふぁー……」
「何アホな声出してんだ。あと、見過ぎだ。少しは恥じらいとかないのか」
「いやぁ、そこまで綺麗な身体を見るなんて滅多にないので、羞恥心より興味関心が先に立ちました。眼福です」
「アホか」
どれくらい間抜けな顔してたのかわかんないけど、呆れたように言われて正直に返したらビシッとデコピンを頂いて悶絶するハメに。
「痛いです……」
「自業自得。ほら、これか?」
「あ、これです。ありがとうございます」
おでこをさすりながら恨めしげに下から睨んだけど、軽く流されてしまった。
また文句が口を突きそうになったけど、それは雹牙さんが差し出してくれたポーチが止めたので私は頭を下げると部屋に戻った。
もちろん、踵を返すギリギリまでガン見しましたが何か?! 雹牙さんだって服着ないんだから良いよね?
そして私は枕が変わっても熟睡するタイプなのでぐっすり眠って、翌朝はキッチンに立つ市ちゃんを手伝って朝食を作り、それを頂いてから出勤した。
なんと、雹牙さんの送迎付きとのことですよ、マジか……。
夢のような生活が暫し続くらしく、私は今後の男運とかラッキーは全てここで使い果たすんじゃないかと戦々恐々としてる。