• テキストサイズ

アネモネの夢

第1章 アネモネの夢00~50


16

市ちゃんの家に着いて夕方には信長公と帰蝶様がご帰宅されました!
偉大すぎて流石に緊張する! って思ったけど、基本的に長続きしない人です、私。
心臓に毛が生えてるどころじゃないって大学時代の友人には言われるけど、だって緊張しっぱなしじゃしんどいじゃない。
そんなわけで、開き直って夕飯が終わる頃にはいつも通りの私になった。
ピルピルしてる時を雹牙さんに見られなくて良かったとか、実はこっそり思ってたのになぜか市ちゃんから報告された。

「もう大丈夫なのか?」
「うー……実はまだちょびっと緊張してます。少しだからすぐ慣れますよ」

片付けを手伝ってたら雹牙さんに声を掛けられて、嘘は吐けないので正直に答えたら笑われた。
うーうー唸りながらも一通り終わらせて、お風呂も頂いて暫くのんびりと市ちゃんと話してたけど、そろそろ寝ようかとあてがわれた部屋に戻ってはたと気付く。

「化粧品ポーチ忘れてきた……」

手元を見てがくっと肩を落としても誰も持ってきてくれない、取りに行くしかないよねー。
仕方がないので取りに行ったら、私がドアを開ける前にそれが開いた。自動ドアじゃなかったよねと思ったら、ドアの向こうから雹牙さんが肩にタオル掛けて半裸で顔を出した。

「あ……」
「藍羽? どうした」
「えーっと、化粧品ポーチを中に忘れちゃってて」
「ああ、そういや見慣れないポーチがあったな」

互いにばっちりと目が合い、不意打ちに固まった私を不思議そうに見ていた雹牙さんに問いかけられて硬直から解けるとここに来た理由を告げる。
聞いた雹牙さんはそのままドアを開け放して中に戻っていく、その背中には綺麗な筋肉がついていてこういうのを細マッチョというのかと妙な感心をしてしまう。
先ほどぶつかりそうになった胸元も筋肉質で、そこから下にある腹筋なんてシックスパックだったよね。
私、実はこう見えて学生時代は運動部所属だったので、筋肉が美しくついてるいわゆる肉体美って凄く鑑賞したくなる。
だからといってボディービルが好きなわけではないので悪しからず。
/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp