第1章 アネモネの夢00~50
「黙って出て来るもんじゃないね」
「市ちゃん少し反省しよう」
うん、します、しないと帰って来た雹牙に梅干しされちゃう。ひーんと半泣きで黒羽の乗って来た車に乗り込み、荷物を運んで家に帰りました。
大きな大きな織田の武家屋敷、玄関の前で車を停めてもらい荷物を運んでいるとお帰りと明るい声が掛けられた
顔を出したのは茶髪の青年で、重い荷物を軽々と運ぶのは織田昴
「藍羽百合さんだっけ、我が家だと思って寛いでって下さい」
「ありがとうございます、お世話になります」
「市大丈夫?」
「まあ、うん、平気」
「因みにチクったの俺だから宜しく」
「えええ!?」
昴ううう!と怒った顔で、兄を追う市の姿を見てぽかんと。しっかりしてるイメージだった市の意外な面を見て思わず微笑んでいる百合をみて黒羽はやれやれと息を吐いてスマホを取り出し
雹牙にはお説教は程々にしてあげて下さいねと送ったという。
「兄さま、義姉さま、この方が百合ちゃんです」
「まあ、お市がお世話になってるわね!ゆっくりしていってね」
「是非も無し」
「は、はい!」
珍しく兄さまが早く帰って来たので紹介したら百合ちゃんが緊張でガクブル震えていました。刺激が強かっただろうか。