第1章 アネモネの夢00~50
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雹牙さんと買いに回ったら、結局大量になりました。だってあの人主に市ちゃんが迷ってたの全部覚えてて買ってるんだもんさー……。
誰が片付けるのかと思ったら雹牙さんと晴久君で食べるんだって、凄い。あ、でも私もご相伴預かっていいんですか、ご馳走様ですってなったのは仕方ない。
だって私も散々迷ったんだもん! 私のお腹ではあの中で食べきろうと思ったら一つ、二つしか食べれないからもっと悩んだよね!
そんなこんなで席に戻ったらあの豊臣グループの右腕と名高い竹中半兵衛様が目の前に!! いやぁああぁぁっ!! 噂には聞いてたけど年齢不詳の美形の威力半端ない!!!
私の好みとしては晴久君とか雹牙さんの方がより好みです、いや、聞かれてないけどなんとなく。
まぁ、でもこんなところで大企業のとか大げさに長々と騒ぐことでもないし、本人の肩書って実力と運と努力で手に入れたモノなんだからそれ以上でも以下でもないよねー。
眼福、ほんと眼福。結局近くの空いてるテーブルを引っ付けて、三成君と吉継君まで混じって大所帯で買ってきたスイーツまぐまぐしてます、万福、満足。
「この後はどうするんだい?」
「今日の大きな目的はここのスイーツだったから、この後は近くのショッピングモールぶらつくつもりなの」
「ふむ。ならどうだい? 夕飯をご馳走するから一緒に食べないかい?」
スイーツが食べ終わる頃、竹中さんが市ちゃんにそう声を掛けた。本日の主催は市ちゃんなので私は何も口出しません。どうせ誘われてるのは市ちゃんだしと思って最後の一口を満面の笑みで食べてたら、横から私も一緒にという声が聞こえて来て思わず咽た。
げっほげっほしてたら、雹牙さんが呆れた顔をしながら背を撫でてくれて、市ちゃんが慌ててお茶を差し出してくれて、ありがたく受け取ってたらお手拭は晴久君が差し出してくれた。申し訳ない。
涙目になりつつ咽てるのが治まるまで大人しくしていたら、待っていたらしい竹中さんがで、どうだい? と私に聞いてきたのでどうしたらいいのかと市ちゃんを見ると苦笑してるのみである。
うーむ……どうすべきかと迷って、ついうっかり雹牙さんを見たらこちらは特に何も言わず頭ぽんぽんされました。なんだろう、この子ども扱い。良いけど、割と撫でられるの好きだし、撫でる人によるから雹牙さんは大丈夫な人なんだなって思うだけだし。
