第1章 アネモネの夢00~50
「私までご一緒してお邪魔になりませんか?」
「邪魔なら最初から誘わないよ。嫌いな物がなければ、僕がおすすめするお店をサーブするよ。どうだい?」
「ここまで誘って頂いてお断りする方が失礼なのでありがたくお邪魔しますけど、出来ればドレスコードなどはない普通のお店が良いです。仕事柄一通りのマナーは習得しているつもりですが、緊張して味が判らないと勿体ないので」
「ふふっ、本当に面白い子だ。市姫に似ているよ。お店は希望通りの場所を選んでおくよ、じゃあ、切りの良い時間が決まったら教えて貰えるかな」
「はーい」
市ちゃんに似てるとか、嬉しいけど申し訳ないと思っている間にある程度の段取りを市ちゃんと打合せした竹中さんは食べ終わった三成君と吉継君を連れて先に帰られました。
うーん、麗しい。眼福なレベルの美形に囲まれて食べる夕飯……絶対味わかんないね! 今後の保養のためにしっかり目に焼き付けよう。
「じゃあ、俺らも行くか?」
「うん! 百合ちゃん、行こう?」
「はーい。ちょっと待ってね」
食べ終わったゴミは雹牙さんと晴久君が率先して片付けてくれる、出来る男はやることもスマートでござる。私は鞄からウェットティッシュを取り出して、さっと使ったテーブルの上を拭いてから席を立った市ちゃんを追いかけた。
もちろんゴミは途中のゴミ箱にさり気なく捨てました。これやると友達になんか微妙な顔されるから、あんまり目の前でやったりしないんだけど市ちゃんはにこにこしてるから大丈夫かな。
そこからは近くのショッピングモールで上に下にと片っ端から服飾関係のショップに入って、あ、もちろんメンズもね。晴久君や雹牙さんの服選んだりしてみたり、市ちゃんとお互いの服選んでみたり、愛用してるブランドはまさかの市ちゃんが経営に携わってるとこだった!
サイズ展開が素晴らしくって、市販品じゃ色々詰めないといけない私にはとってもありがたいのです、ハイ。なんてことも話しつつ、女の子買い物にも平然と付き合ってくれるイケメン二人と共に、こんなに堪能したことはないくらいにショッピングモールを堪能して夕飯は竹中さんの指定したお店へと向かった。