第1章 アネモネの夢00~50
「おや、市姫、雹牙君に晴久君」
「「竹中」」
「竹中さま、珍しいね」
「三成君と吉継君の付き添いだよ、気分変えて買ってみたんだけど君達に会えてラッキーかな」
百合ちゃんが半兵衛様の名前に反応して、「えっ、豊臣グループの右腕の?」ってオロオロしてます、秘書だから詳しいね、説明要らずだ。
「おや、雹牙君の彼女?」
「お前わざと言ってるだろ」
「まあ気にしないで、初めましてお嬢さん」
「はあ、美人ですね…」
この方この美貌で30↑です。雹牙よりも年上です。不老の秘薬でも飲んでるんじゃ?と疑いたくなる若さなので詐欺ですよね
紳士的に、百合ちゃんに挨拶をする年齢詐欺の竹中さまを見れば、私の頭に手が乗ってわしわし
「市姫、」
「うん、分かってます」
変な視線は竹中さまも感じましたか。
やっぱり気のせいじゃないよね、どうしようか。一応雹牙や黒羽も動いてるから問題ないとは思ってたんだけど。
割と近くでぎゃあ!と声が聞こえて。その方向を見れば三成がカメラを持った男の腕を捻り上げているのが見えて思わず立ち上がる。
「貴様!盗撮は犯罪だ」
「ヒヒヒ、賢人の戻りが遅いと思うたら市と、尼子も居ったか」
「三成、吉継」
何かいっぺんに人増えて大注目を浴びたけれども。取り敢えず、百合ちゃんには紹介しておきます。同級生で豊臣に居る友人ですよ。
「眼福!!」
「百合ちゃーん」
業界の有名人が集まったから驚くかと思ったけど、安定の通常運転で安心致しました。はー、百合ちゃんが可愛いです。
「…」
「雹牙?」
「いや、何でもない」
急に少し張りつめた空気を漂わせ始めた雹牙に帰ってから聞いたのだけども。三成が没収したカメラのメモリを見てみると、盗撮男は百合ちゃんを中心に私達を撮っていたそうです。
もう少し三成にシメて貰えば良かったです。