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アネモネの夢

第1章 アネモネの夢00~50


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百合ちゃんきっと私と同じ事思ってるんだろうけど、雹牙はもちろん、黒羽も晴久もこういう所は頑固なんだよね。「男を立てさせてくれ」って言われちゃ私も何も言えません。
私も最初は自分からも出すって言ったんだけど笑顔で黙殺されたのでそれ以来諦めてます。私の周囲の男性はこんなんばっかなので百合ちゃん諦めて下さい。
晴久が買って来てくれたジュースをちゅーっと飲んでいると、晴久が百合ちゃんと雹牙の向かった方向を眺めて

「あいつが雹牙とくっ付けたい女か?」
「可愛いでしょ」
「お前みたいだな」
「言っとくけど一部の女性は男を財布扱いする人も居るからね~」
「学生時代は割り勘だったろ」
「晴久、一部の悪女を舐めてはいけない」

そんなもんなのかねと、コーヒーを口にする晴久を見て、未だ強烈なのに会った事無いからじゃない?と零す

「彼女作る気無いの?」
「う…、俺の事は別にいいんだよ」
「いっぺん悪女に揉まれてみなさい」
「相手が悪女前提かよ、遠慮しとくわ」

晴久のお父さまもお爺さまもお嫁さん待ってるんじゃないの?男所帯に花添えてあげなきゃ。クスクスと言い笑顔で笑ってたらむすっとした顔をされて
拗ねた?可愛いなあと頭を撫でればもう子供じゃないと手を払われテーブルに突っ伏された。

「何やっているんだ晴久」
「よう、雹牙」

百合ちゃんを連れた雹牙がトレイにスイーツを乗せて登場。買って来たのを並べられたのでいざ参る。頑張れ私の胃袋。
こんな大量に注文したっけ?首を傾げて雹牙に問えば、選んでる時に迷ってただろうと。え、試食させてくれるの?雹牙の分で?

1つ1つ突いて、百合ちゃんと機嫌良くもぐもぐ。百合ちゃんも笑顔になったので安心してたら、妙な視線を感じて周囲を見渡す。なんだ?

「市、放っておけ」
「あ、うん。晴久これ一口貰う」

婆娑羅者っていうか、戦国時代に生きた私達にしか分からないよね。雹牙と晴久が美形だから注目されてる目と違う。何かドロドロとした気味の悪いものが絡みつく感じ
ふと、顔を上げて正面をじっと見る。馴染みの気配が近づいて来たと思ったら見えた麗しい姿に一瞬紅茶吹きそうになったよ
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