第1章 アネモネの夢00~50
晴久だーとその胸に飛び込めば百合は少し混乱して雹牙を見る、その視線に気づいた雹牙は小指を立てる仕草をすれば百合はやっと理解したのかコクコクと頷いて。
「市ちゃんの恋人かぁ」
「ぶほっ!?百合ちゃん違うの!晴久は幼馴染み」
「まーまー、市もそんなにムキになるな」
顔を真っ赤にして顔をぶんぶん横に振って、晴久は幼馴染みだと言い張る市に晴久は苦笑いで。
少し寂しそうに、だが愛おしそうに市を見る目に百合は気付く、ああ、この男性は市ちゃんを大事にしているんだな
今日はスイパラだろ?晴久の言葉にはっと正気に戻った市は、百合と晴久の手を掴んで行こう行こうと引っ張っていくのを
雹牙はしょうがないなと、フッと笑って3人をのんびり追いかけた。
すっと、周囲を見渡して。女性2人を見る視線をことごとく撃沈させ喉の奥でククっと笑う。
妹に仲が良い友達ができたなと隠れて笑めば、目の前で繰り広げられる藍羽と晴久の自己紹介に、俺要らないのでは?と本気で悩んだ。
「あんたが藍羽さんか?俺は尼子晴久だ。宜しくな」
「え、尼子って」
大きな会社ありましたよね?
市ちゃんの人脈の幅が果てしない事に気付いた百合はただただ驚く事しかできなかった。