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アネモネの夢

第1章 アネモネの夢00~50


09

「雹牙、百合ちゃんとデートする事になったの」
「うん?車は要るか?」
「んー、久しぶりに徒歩でいいよ、いつもありがとね」

LINEをぽちぽちと操作していたお市様は、嬉しそうにそう言って振り返る。女友達が出来たのが嬉しいのか何着て行こうかと陽気にクローゼットを漁って服を取り出している
って、何で俺がお市様の部屋にいるかと言うとここ最近の藍羽の周辺を監視してた報告なんだが…

「これとこれどっちがいい?」
「スイーツ巡りなら白はやめておけ、ああ、そのパンツとキャミソールはどうだ?」
「黒いキャミソールにホットパンツにニーハイにミュール、おけ」

際どくないか?と一瞬思ったが、まあ普段と露出変わらないからいいか。徐に自分のスマホを取り出して、ある人物にLINEを送れば返事がすぐ返って来た。

「俺か黒羽、昴の誰かがついて行かなくていいか?」
「え、雹牙来てくれるの?」

藍羽はともかく、お市様放置とかできる筈無いだろうと心の中で突っ込んだのは言うまでもない。




日曜日に、眩しい脚を晒しながら待ち合わせ場所で百合ちゃんを待って居たら隣に立っていた雹牙が手を繋いでくれて首を傾げる。迷子防止?そんな子供じゃないってば
遠くで百合ちゃんを見つけ、手を振れば気付いてくれたのか手を振り返してくれたのでにへらっと思わず頬が緩む。

「市ちゃん脚が眩しい」
「雹牙のコーディネートだったりする」
「おい、何だその目」
「雹牙さん私服だ」

雹牙はポロシャツにジーンズと言うラフな格好してるけど女の子の視線が痛いです。繋いでる手をぶーらぶーら振って、さていこかと声を掛けるも待てと言われたので待つ。
誰かと待ち合わせしてるの?首を傾げればもう少し待てと言われて、雹牙はスマホを取り出して誰かと連絡を取り合ってるようで

ぽんぽんと背後から頭を撫でられ思わず肩が跳ねる。
恐る恐る振り向くと何と幼馴染みの晴久が「待ったか?」って、ええええ?

「何で居るの?晴久」
「雹牙に呼び出し食らったんだよ。まあ、俺も邪魔じゃなければ付き合うから」
「だ、Wデートだ!」
「言うと思った」
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