第2章 アネモネの夢51~99
ドレスは披露宴のお色直しが無いので、一着だけ。オーダーメイドにするかと聞いたがそこまではいいと言われたので2人で見に行けば事前に問い合わせていたドレスを何着か用意してもらい。取り敢えず試着しているのを眺めていれば
新郎のタキシードの試着はと声を掛けられた。ああ、身長もあるから合わせないとダメか。
ドレスを決めてこちらに来た百合に「脚長いから合うのあるの?」と問われ。身長は最近、高身長の新郎が多いと言われたが生憎脚の長さが合わず急遽発注する事になった。
「晴久も苦労しそうだな」
「市ちゃんのドレスって信長公が用意するって言ってたっけ」
「ああ、濃姫様と大喜びでオーダーメイドしていた」
「…何回お色直しするんだろう」
「どうだろうな」
ドレスから洋服に着替えてた百合に、ドレスを着た姿を見せてくれと頼むと一瞬きょとりと、でも嬉しそうに更衣室に入って行ったので。己の採寸も終わったところでドレス姿の百合を見に行った。
「に、兄さま」
市は見せられたデザイン画を見てぐったりと項垂れる。そのドレスの多さに滝の様な汗をかいて全部買うの?と聞けば信長は嬉しそうに頷く
「流石に多い!」
「ぬ」
「これとこれとこれ却下でお願いします」
「むっ」
「多くて4着でお願いしますほんと兄さまマジ兄さま」
「ふん」
義姉さまの結婚式の時もお色直ししまくってたけど、犯人は兄さまだったのかと遠い目をするしかなかった。