第2章 アネモネの夢51~99
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百合の両親に挨拶した後、結婚式の段取りを決める為に織田のリビングに4人で集まる。
「市ちゃんと晴久君は披露宴と二次会あり?」
「雹牙と百合ちゃんはチャペルだけだっけ?」
「俺は長男でもないしな」
「市のとこは晴久は長男だし、春ごろに式の予約入れる方向で手続きしていこうかなって」
招待状準備、式のスケジュール、食事のメニュー決め、おみやの選択、ドレス決め、戸籍の手続きetcと、やらなければいけない事が多いとお市様が潰れた。
聞いてて、新婦の方が忙しいのだなと思い、百合に大丈夫かと聞けば披露宴はしないからと
その代わりこちらは親族を集めて飲み会になるので宴会場を決めねばいかんなと、ノートパソコンで検索をする。
「丹波は親族か?」
「雹牙、丹波さま呼ぶの?」
「…一応親族の部類に入れてやる」
「素直じゃないなあ」
お市様にくすくすと笑われながら、知らん振りで店のリストを見て百合の好きな料理を出すのはここらへんかとチェックを入れる
こちらも軽く招待状を出さないとな。お市様が用意する量程ではないが多少要るだろう。
百合が招待状を用意すると言うので任せて、今度の休みにドレスを見に行くかと提案すれば嬉しそうに頷いた。
「順番的に俺達が先に入籍するのか。お市様より先でいいのか?」
「そこまで気にしなくていいんだよ、ただ手続きとかあって市達は遅くなるんだから」
苦笑いで答えるお市様に、ぺこりと頭を下げれば晴久に「忍根性抜けねえな」と笑われるがこればかりは何も言えず。
百合に住民票と戸籍の手続きをする時、車を出すからと告げれば気にしなくていいのにと
いや、お市様がこんなに潰れてるくらいだから少しは手伝いたい。