第2章 アネモネの夢51~99
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晴久から夜のドライブデートののちにプロポーズされました。
嬉しそうに信長公と濃姫様、俺達に報告するお市様を見て。ああ、やっと今世で嫁げるのだなと思った。
プロポーズ現場は俺達忍の付き人3人で見守ったが。
各々色んな涙が溢れて止まらなかった事だけは伝えておこう。晴久に絶対に幸せにしろ、泣かせたら殺すと3人で言い聞かせたことはお市様は知らない。
自室で1人、ぼうっと窓から外を見つめていれば、百合が心配して来たので手招いて膝の上に座らせる。
すまん、今日はいつもより調子が悪いみたいだと零せば仕方がないと宥められる。いや、お市様が嫁に行くのは喜ばしいのだが、感傷的になってるのはあれか、重度のブラコンだと認識していいのか付き人歴が長いせいか
恐らく一番凹んでいるのは信長公だろうな。あの方が前世、お市様を嫁に行かせない方法をとった元凶なんだが。
「娘を嫁に行かせる父親の心境か?」
「自分で言う?」
過保護の塊だな俺達は。
やめだやめだと開き直って、ぎゅうぎゅうと百合を抱き締めれば。見に行ったのが一番ダメージ大きいんじゃないかと。ああ、多分それで合ってる。
「見なければ良かった」
「後悔先に立たず?」
「まあ、そんなとこだな」
今だけは少し凹ませてくれと頼んだら珍しいねと慌てられる。ぎゅうっと、百合が俺の頭を抱えて抱き締めてくれ、少し軽くなった気がした。
コンコン、と部屋の扉が叩かれて、誰だと思ったら半目の黒羽。黒羽の目が座ってると一瞬驚いて目を見開くと、「着替えて下さい」と言われて、は?何処に行く?
「本気で手合せ願います」
「ああ、百合、少し出て来る」
「うん、いってらっしゃい」
「黒羽さん雹牙さん!俺も!!」
命に別状は無いかすり傷だらけで翌日3人で出勤してお市様に怒られたとか。濃姫様に呆れられ、信長公に盛大に笑われたが。百合には盛大に心配されて3人で謝る変な絵面ができた。本当にすまん。久しぶりに大暴れしてスッキリはした。
我ながら子供かって突っ込んだ、そして3人で顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。。