第2章 アネモネの夢51~99
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「百合さん、一生のお願い~」
リビングで何やら声がして、どうしたんだと覗いて見ればソファで寛ぐ百合ちゃんに半ば土下座で何かをお願いしてる昴発見。
どうしたんだろうと近寄ってみれば百合ちゃんの会社の女の子と織田の独身男で合コンのお願いと言うかお誘いと言うか。
「んー、一応声かけてみるけど。好みは年上?年下?」
「どっちでもOK、こっちは織田の独身男呼ぶから」
「あはは、じゃあ適当に声かけてみるね」
「わーい!ありがとうございます!」
まるで子供の様に喜ぶ昴に少し笑って、俺が店の場所きめると張り切って部屋を出て行った昴の片手にはスマホ。
昴って人懐っこい笑顔を振りまくから人望はあるのよね。男の人数は足りてるみたいなので問題は女の子?
百合ちゃんに足りそう?と問えば。織田に勤めてるってだけで男の株は高いんだそうです。そんな馬鹿な。
楽しそうに合コンの打ち合わせを繰り返す昴と百合ちゃんに、大丈夫かと雹牙の表情は心配そうで
まあ、同じ年だから馬が合うんじゃないかな。友情的な意味で。
「良い人が見つかればいいね」
「ありがとうございます。うん、俺頑張る」
合コンの予定は明後日仕事が終わってから、直接店に行くそうで。昴ってチャラく見えるから大丈夫かな、根は真面目で良い子なんだけど。
当日、夜に帰ってきた昴はどことなく寂しそうに笑ってたので。ああ、異性として見られなかったんだなと納得
でも女の子の友達できたよと笑う昴が健気で妹は心配です。
ぽちぽちとLINE友達の女の子と、友人として付き合ってるそうです。百合ちゃんの後輩らしい。
昴、恋愛の方はどうした。趣旨どっか行ったよ?
「はー…相手が女の子と分かってるだけで若返りそう」
「昴が変態思考に陥ってる」
「変態じゃないですよー」
百合ちゃんのほうは?後輩ちゃんから昴の事聞いてる?と問えば「友達にまさか"織田"の人が出来るなんてと感極まってるそうです。良いのか悪いのか。
そう言えば、先日百合ちゃんに贈った服は、次の雹牙とのデートに着てってくれました。
アクセとか、貰ったものを全て身に着けて、気に入ってくれたようで何より。
「後輩は昴君を弟扱いしてるかな、年上なのに」
「やっぱり?」