第2章 アネモネの夢51~99
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「ええと、ケーキはあとデコレーション、料理も下拵えOK…」
何を作ろうかメモに書いてるので1つ1つチェックして。あとは雹牙と百合ちゃんが帰って来る時間に合わせて仕上げるだけ。
玄関の方で音がしたので誰か帰ってきたのかなと思ったら兄さまでした。片手に薔薇の花束持ってるけど兄さまからのプレゼント?激しくカッコイイです流石兄さま、惚れそうです。
義姉さまも何か包みを持ってたのでこっそり何?と聞いたらブローチ?ああ、スーツに着けれるやつかあ
私も百合ちゃんの好みそうな服を作ってラッピングしてるけど気に入ってくれるかちょっと不安。森ガールは初の試みなのです。
携帯のLINEにメッセージが届き、確認したら雹牙からあと1時間くらいで帰るという連絡が来たからさて仕上げちゃうかー
オードブルに手巻き寿司、ケーキ。人数多いので量たっぷりなのでお刺身切るだけでも大変で。黒羽と昴に手伝って貰って何とか完成、そろそろ帰って来る頃かな。
「黒羽と昴は何か用意したの?」
「私と昴で1つ、用意させて頂きました」
「まあ、職場で摘まめるようにお菓子の詰め合わせなんですけどね」
そのお菓子のメーカー、とてもお高かった気がするんですけど。大量にありますね、10月だからか、ハロウィン仕様だわ。
何か、私だけお洋服だけとか自信無くなって来たなと、ちょっとショボくれたけど。けど。うん、喜んでくれるといいなぁ
「姫様、自社ブランドいくらで売ってると思うんですか」
「うーん、そんな高く無いと思うけど」
デザイナーが直接服用意してるなんて贅沢ですよと口を揃えて言われました。何か解せぬ
ワンピースとポンチョコートと帽子だけです。これから寒くなるから秋冬用ですけどね
台所を掃除してエプロンを仕舞って、片付けてたら玄関から声が聞こえた。丁度いいところに。
プレゼントはご飯が終わったら渡せばいいよねと思ってたら、部屋に入って来た百合ちゃんの顔に花束突っ込むとか兄さまもう流石兄さま。
「わぶっ!?信長公?」
「フン」
とても良いニヒルな笑顔で、席に着いてお茶飲み始めたので通常運転ですね。百合ちゃんご飯できてるよー!
「え、凄いご馳走」
「雹牙と百合ちゃんおかえり」
「土産だ」
「お、ありがとう。2人とも席に着いてて」