第2章 アネモネの夢51~99
ケーキを食べながら、ネックレスを買うと決まったのは良いが。どこで買うか。この辺に店はあったかスマホで検索すれば宝石店によってデザインが違うので見比べ目星をつける
「安いものが多いな」
「日数掛かるけど、誕生日に間に合えばオーダーメイドして貰う?」
ああ、それはいいなと俺の好みでデザインを決めていると、大体俺の中での予算内で収まり納得して顔をあげたらお市様に苦笑いを貰った。いや、折角の一点ものなら納得のいくものが選びたかったんだが
「百合ちゃん愛されてる~」と茶化すので、何とも言えぬ気持ちでデコピン食らわせようとしたら全力で逃げられた。ほんと一言多いなこのお市様。
誕生日にはギリギリ間に合うらしいので頼んでからカードを渡して清算する頃に戻って来たお市様を捕まえ。夕飯は外食だと決めていたので何を食べるか眺めながら歩く。
「肉、魚、あとなんだ」
「お肉が食べたいでっす」
この辺美味いとこあっただろうか。黒羽ならこの辺知ってるかと連絡を取る。
夕食の後、百合からもうすぐ終わると連絡が来たので、お市様を乗せたまま車で迎えに行ったら。
百合の周りに見知らぬ女が3人程居たが俺とお市様の顔を見て口をあんぐり。
「彼氏を見るまで帰らないって言われちゃって」
「あの反応が謎なんだが」
「雹牙雹牙、お迎えにこんなイケメン来たら誰でもああなると思うの」
「市ちゃん見ても驚くと思うよ?」
「市も?」
「無自覚?」
がばりと、お市様に抱き付く百合は可愛い可愛いと連呼しながらひたすら頭を撫でていた。