第2章 アネモネの夢51~99
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ぼーっと、うちのお兄さん達の手元の指輪を眺め、今までの人生でアクセサリーなんて着けたの初めてだろうなと思わずニヤニヤしてたら軽く叩かれた。あい、仕事します。
ん?私は指輪は無いのかって?晴久が選んでくれるって言ってたので待ってます。本人すっごい悩んでるみたいだけど私は別に何でも良いのですが。
自分の手の薬指を見て、ネックレスとかは着けてるけど指輪はないなぁと考えていれば。昴が背中にくっついて来て項垂れてるので体勢そのままに頭を撫でてたらごろごろと。君は猫か。
「うう、お市様お嫁に行っちゃやです…」
「昴もお相手見つけようね」
「織田の合コンですかぁ?」
うーん、昴のお相手ってどんな子がいいんだろうな。この子根は真面目っ子だから純粋な子がいいんだろうな。
合コンも手だけど、昴は運命的な出会いをして欲しいものです。皆付き合い始めて寂しいんだなと思いつつ、新しいメンズ服のデザインを見せれば「あ、これ良いですね」と
百合ちゃんが着たい服を聞いて作ってみようかなとか。昴乗っけたまま描いてたら昴がどつかれました。ああほら、皆喧嘩しないの。
冬用の自分が着たいものを描いていけば、スタッフにまた自分の服作るんですかと。いやあ、私の身長とスタイルに合う服普通じゃ売ってなくて…
時計を見ればもうすぐお昼で、今日は百合ちゃんのとこ行って着たい服聞きながらご飯食べに行こうかな。そう思ってお弁当とペンと原稿持って立ち上がれば雹牙に行くのか?と問われた。
「送って行く、丁度前を通る」
「わーい」
LINEで百合ちゃんにお昼一緒にどうか聞いたらOK返ってきたので、雹牙の後ろにくっついて送って頂きました。