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アネモネの夢

第2章 アネモネの夢51~99


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百合が使いとして本社に訪れてから殆どの部署では自分に良い人が出来てよかったなと背中を叩かれ祝福されて、1日でそんなに噂になってるのかと我ながら驚いた。黒羽に背中を叩かれ、振り向くと黒羽が苦笑いで立っていた

「少し浅はかでは?百合さんに火の粉が掛かったらどうするんです」
「ここまで大事になるとは思わなくてな」
「私達は忍ですが、今は織田でもあるんです。気持ちは分からなくもないですが」
「百合は俺のだ」
「そうですが。もう少し状況を見て婚約発表、でも良かったじゃないですか」

その手があったかと、手をポンと叩けばと笑われたのにカチンと。

「だって、今まで姫様を守るのに全力を注いでた者が、恋人の事になると一気に抜けてるものですから」
「そう言うお前はどうなんだ」
「おや、抜かりないですよ?」

すっと、黒羽は己の左手を俺に見せると、奴の薬指にはシンプルな指輪が嵌められていて目を見開く。これ着けてるだけでかなり声は掛けられなくなりました。そう聞いて成程と感心する。

「結婚の話はしたのか?」
「まだですけど、一応贈り物としてコレのペアをお渡ししました。嵌めるかどうかは彼女次第ですし」

カモフラージュに最適ですよ?そう言われて、百合の指のサイズを計っておこうと決心する。プレゼントか。考えてもいなかった。
そう言えば、と。立ち止まって、急に眉間に皺を寄せた雹牙に黒羽は首を傾げた、

「誕生日や記念日等、恋人で祝うものの日にちを聞いていなかった」
「貴方達本当に付き合ってるんですよね?」

呆れた、と言わんばかりに溜め息を吐かれて。今更誕生日を聞いても良いんだろうかと頭を抱える相棒に、黒羽は楽しそうにクスクスと笑う
2人で市のとこに行き、その事を相談すれば市に苦笑いで呆れられる。


ふと、最近自分の耳にも入ってきてる困った新人ちゃんはどうしようかと2人に投げかける。
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