第2章 アネモネの夢51~99
「社長、奥さまとはどこで出会ったんですか?」
「どうした?急に」
「いえ、こんな美魔女捕まえるとか社長もやりますね」
「そこまで言うなら出会いから結婚まで話そうか?」
「そこまではいいです」
「藍羽君、酷い」
雹牙さんが奥様に会ったみたいですよと話せば、己のLINEを確認する社長はもう着いたのかと笑う
うちの奥さん可愛いでしょ、と惚気始めたので早々に秘書課から追い出してお弁当を再開した。
しかし、と百合は困った様な顔をして。
奥様に助けられる前に起きたというしつこい新人の話を聞いて、まるでこの前までの私だなと思考を巡らせる。
雹牙さんの事は信用してるけど、やはりモテるんだなぁと軽く溜め息を吐いて。お弁当のご飯を口に含んだ。今日は市ちゃん特製弁当なので絶品です。うまうま。
何となく、市ちゃんに雹牙さんて会社でモテるのー?と愚痴ってしまったけど、「雹牙は百合ちゃんしか見えてないよ?」って返って来たので市ちゃんからのケアが最高だと思いました。