第1章 アネモネの夢00~50
男性としての何かと仰いますが、どっちかというとこういうの出来る方がより男性の魅力として加点が付くと思います、ハイ。口には出さないけど、出さないよ! だって怒られそうだもん!!
目の前ではコント的な何かが繰り広げられてるけど、それをしているのが美男美女なので眼福なんだけどなんか色々と所帯じみてるよとツッコミ入れたい。入れないけど。
お父さん……確かにちょっと納得かもと思ってしまったけど、私的には結構ポイント高いと思うんだけどなぁと眺めちゃいますよ。
ここまで来ると本日もやっぱり現実味が薄くてふわふわとした心地である。
「市、少し外に出て来る」
落ち着いてから暫くは市さんや雹牙さんが新たに教えてくれる憧れの帰蝶様と総帥信長公の話を聞いたり、スイーツ品評会と評してお店の評価をしたり、自宅で作るスイーツレシピの話だったりをしていた。
けど、不意に雹牙さんがそう言って席を立ったので、市さんに釣られてつい座ったまま私もお見送りしてしまった。
どこに行ったんだろう? と首を傾げたけど市さんが笑顔で話しかけてくれるので、私の意識は直ぐにそちらへと集中してしまった。
それから雹牙さんが帰ってくるまで市さんとたくさん話して、戻ってきた所でそろそろ良い時間だからと市さんが雹牙さんと帰宅していった。
もう少し頻繁にラインやメールをする約束をして、何故か雹牙さんのラインも登録された。うん、市さんに携帯見せてって言われて渡したら戻ってきた時には登録されてたの。
トークが投げられたわけでもないから、登録されたのに気付くかわからないけど通知出るだろうから気付いてるのかな?
良くわからないけどとりあえず消す必要性も感じないからそのままにして、私は入浴を済ませてベッドに入った。
ぐっすりと寝て、起きた時間はいつもより少し早いくらい。余裕を持って準備をして早めに部屋を出るとマンションのエントランスで掲示板に張り紙をしている管理人さんに会った。