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アネモネの夢

第2章 アネモネの夢51~99


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刀と鈴を持った男性が笛の音に合わせて、シャン、シャンと鈴を鳴らし舞う。昔はよく城を抜け出して。懇意にしてた社の方に教えて貰ってたっけ。
琴のような弦を弾く音と笛の音に合わせ、共に聞こえる力強い声に拍手を送れば一瞬目が合った宮司さんに頭をさげられた。

こういう舞の技術は先生とかおらず、代々各地の宮司さん達が集まり手取り足取り覚えさせられるんだそうです。後継者が減ってる今の現代でもそれで伝わってるせいか無くなりかけてるので若い宮司さんは跡継ぎに舞を教えるので奔走中

確かに昔よりも皆の関心が薄まってきているようです。ちびっ子に舞を見せて興味が出て舞う子の教育とか無かった。

神楽は休憩を挟み、4人で抜け出して散歩をしていると、体験修行で使う滝を見つけ打たれてみる?と聞いたら予約埋まってるぞと。これ人気なのか、凄い。
そろそろ帰るかと言われたので、百合ちゃんと手を繋げば女の子同士くすくすと笑い合って。こんなお姉ちゃん欲しかったんだよねえ。

義姉さまはどっちかというとお母さんな認識、兄さまもお父さんだし。本当の両親?何でか覚えてないんだよねえ

「おい晴久」
「何だよ」

この時間に帰るにも時間が中途半端だぞ。時計を見て言う雹牙に釣られてスマホの時計を見れば帰るにはまだ早いね。決めるのは男性陣なので百合ちゃんにくっ付いて2人の様子を眺める

少しデートしながら帰るか。晴久の笑顔に頷いて。
この日もまた分かれてゆっくりと帰路に着いたのであった。




「百合」
「はい?何ですか」
「来週の休み、話したい事がある」

いつになく真剣な雹牙さんの言葉にきょとんとして頷く。少し緊張したような面持ちでいれば「あんまり気に病む必要は無い」と微笑まれたけど

雹牙さんが妙に落ち着かないと言うか。夜に市ちゃんに頭を下げて何か頼みごとをしてる所を見かけて何があったのかなと首を傾げた。
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