第2章 アネモネの夢51~99
ホテルに戻って服を着替えてウィンドウショッピングと夕食を摂りに再度出掛けて、デートを楽しんでホテルに戻った。
お風呂も順番に頂いて寝る時になってどうしようかと足を止める。ホテルも上の方のすごい広くて綺麗な部屋で、入った時はびっくりしたけど普段泊まる時の部屋のランクを選んだと言われてしまえばそれ以上反論できない。
つまり、スイートとかそう呼ばれるようなランクでベッドが別室だったのだ。何も意識してなかった私はベッドルームに入ったとたんに固まった。だって、ダブルベッド……。
「百合?」
「あっ、えと、雹牙さん……これ」
「ああ。添い寝くらいはいいだろう?」
「……添い寝?」
「ああ、まぁ、味見くらいはしたいと思ってるけどな」
色気たっぷりの微笑みを頂いて頬が熱くなる。緊張に固まった私を軽々と抱き上げた雹牙さんが、そっとベッドに寝かせながら柔らかなキスを顔中に降らせてくる。時折混じるリップ音はきっとわざとで、そのためについピクリ、ピクリと肩が揺れる。
私を落ち着かせるように撫でる手も穏やかで優しいのに、じわりじわりと熱を煽ってきて私は慣れないそれに息を上げるしかない。
まだ慣れない深いキスを施されて、甘い刺激に私はすっかりと蕩けさせられていて抵抗も待ったを掛けることも出来ずに堪能されてしまった。
翌朝、雹牙さんの腕の中で目が覚めた時には恥ずかしくて悶えたけど、珍しく雹牙さんが熟睡してて寝顔が見れたのは嬉しかった。