第2章 アネモネの夢51~99
思わずお仕事モードで持ち歩いてる名刺を差し出したら、訝しげだった女性も名刺の社名を見て思い出したのかなるほどというように頷く。
挨拶をしたことがあったかもしれないけれど、本当に名字を名乗ったくらいの面識だろうからほぼゼロで間違いない。
普段着はこんなに露出高いのか……と思わず見つめてしまったその美人さんに、市ちゃんが私に向けて爆弾を放りつつ紹介したのは絶対わざとですよね?! お仕事モード突入したお仕置きですか、そうですか。
「あのね、百合ちゃんは、もうすぐ義姉ちゃんになるかもしれない百合ちゃんです」
「義姉?」
「うん、雹牙のね、大事な人なの」
「雹牙兄ちゃん、嫁さん貰うだか?」
「ふふふー、そうなると良いなぁって」
「市ちゃーんっ!」
私が悪かったので勘弁してください! 雹牙さんの名前が出た途端に無意識で顔が真っ赤になって、涙目で辞めてと懇願したら市ちゃんに笑われてしまった。
その後は美人さんと可愛い子も一緒に席に座って女子会堪能しました。もちろん、年上の甲斐性で今回はちゃんとお支払い持ちました。
市ちゃんはお金持ちのお嬢さんで、自分でもお金ちゃんと稼いでるけど偶には甘えると良いのですよ。