第2章 アネモネの夢51~99
良い意味で愛らしかったから、悪い意味で俺は女性の扱いに長けていないので無意識に市と同じ行動を取っていた。直感でそう動いていた事を詫びる。俺ももっと接し方があっただろう
つくづく俺は不器用だなと少し凹みながら。あと話さなければいけない事は…
「急に甘やかし始めた事だが」
「?」
「正直、告白されてからどう接して良いのか迷ってな」
覚えていなかったら、一緒に居てしてあげたい事をしろとアドバイスを貰ったのだが思い切り失敗して今に至ったなと話しながら項垂れる。恋愛経験がド素人だから、どう大切にしていいか分からなかったから
思わず動いてしまった事を話すと。凄い意味不明で不安だったんですよと笑われた。
「雹牙さんを好きでいてもいいですか?」
「当たり前だ、俺こそ…俺で本当に良いのか聞きたいくらいだ」
「何でそこ不安がるんですか」
何となく、言えなかった。まだ、俺はまだ真実を言っていない。恐ろしいという感情が奥底にあって。
一緒に居たいと口に出すと嬉しそうに笑う百合を見て、いつか戦国の世の話も出来ればいいと願うのは俺の我儘だろうか。
いまはただ、今の気持ちを伝えるだけで精一杯だった。