第2章 アネモネの夢51~99
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晴久とラブラブで2人きりになったと見せかけ、雹牙と百合ちゃんを2人きりにする作戦が成功したねと笑えば晴久に頭をわしわしと撫でられた
「雹牙がねえ…」
「市以外の女の子を市みたいに扱うの珍しいの」
市は浮き輪をかぶり、ぷかぷかと泳ぎ雹牙達の様子を見ながら嬉しそうに笑う。
良い雰囲気だなぁと、じーっと見つめていたら晴久に頭を撫でられて、顔を上げてにぱにぱと微笑めばにっこりと微笑まれた。
ふと、周囲を見渡せば。プールなのに泳いでない人とかいるんだね、疑問に思ってそう言えば。晴久は知ってるのか「ああ…」と呆れた風に周りを見た
「高い金払ってナンパ待ち。それかインスタ用の撮影の為」
「プールなのに?」
「2度目も言ってやるな」
市は市らしく居れよと言われて首を傾げて浮き輪に顔を付ける。中の空気が暖かくて、水との温度差を感じていたら通り過ぎる女の子の会話が雹牙の事なんだよね
お兄ちゃんイケメンですから。
聞こえる雹牙の話に盛り上がる女の子の会話が、急にイケメンのスタッフが居る、に変わって目を開ける。
どれどれ、目の保養…じゃなくイケメンのスタッフどこですか。
お姉さん達の視線を辿ってイケメン見っけ、ガタイの大きなマッチョと、細マッチョの2人を見つけて顔をみたら
「元就と元親だよもおおおお」
「お前は何に文句言ってるんだ」
「期待を返して」
「何の期待だよ」
「お前等何漫才やってんだよ」
「晴久?何故市と共に居る」
「あー、元就。これはだな」
休憩になったから遊ぼうかと入って来る元親の方を見てたので気付かなかったんだけど。
「市と付き合う事になった」と今になって報告したらしく、キレた元就から飛び蹴りを食らって沈んでいた。
スタッフが客を沈めたらだめでしょ元就。晴久だから良いって訳分かんない主張しないの。
背後から、ぎゅっと抱きしめられて後ろを見れば百合ちゃんで。私と同じくレンタルの浮き輪をかぶせられていた。ここまで引っ張ってきたの?雹牙
ええっと、百合ちゃん。この二人は親友の毛利元就と長曾我部元親です。多分百合ちゃんめっちゃ知ってます。